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プレジデントオンライン掲載~2DKに子ども2人

#2DK#4人家族#子ども部屋#家具選び#家具配置#家具配置のルール

子どものパーソナルスペースを作る工夫

間取りに余裕がなくても実現できる安心の空間づくり

自宅に子どもの「パーソナルスペース」はありますか?パーソナルスペースとは、心身の安心や安全を守るための個人的な空間のことです。特に思春期を迎える子どもにとって、自分だけの居場所があることは、心の成長を支える重要な要素となります。

しかし、家の間取りに余裕がない場合、子どものパーソナルスペースをどのように確保するかが課題となります。今回は、36平方メートルの団地2DKという限られたスペースで兄妹2人分の「個室」を確保するための工夫を解説します。


パーソナルスペースが子どもに与える影響

(1) 心の成長を支える役割

パーソナルスペースは、子どもが自分自身と向き合い、リラックスできる場所です。特に思春期以降は、親や兄弟とは一定の距離を持つことで、自己を確立しやすくなります。

  • ストレス軽減:静かに過ごせる空間があることで、日々のストレスを軽減。
  • 自己肯定感の向上:自分の居場所があるという安心感が、心の安定につながる。

(2) 親子関係にも良い影響

プライバシーが守られる空間があることで、子どもが親と適度な距離を保てるようになります。これにより、無用な衝突が減り、家庭内の関係がより良好になります。


限られたスペースでの個室づくりの課題

36平方メートルの2DKのような限られた間取りでは、子ども一人ひとりに完全な個室を与えるのは難しい場合があります。そのため、以下のような工夫が必要です:

  • 既存のスペースを有効活用:壁や間仕切り、家具の配置を工夫して、パーソナルスペースを作る。
  • 多機能な家具の導入:限られたスペースを最大限活用するために、収納付きダイニングテーブルやソファベッドなど、機能を兼用した家具を使うことで家具の数を減らし新たなスペースをつくる。

2DK家族4人暮らしビフォーのようす

スペース確保の具体的なアイデア

(1) 仕切りを活用して空間を分ける

部屋全体を仕切ることで、1つの部屋を複数のエリアに分ける方法です。

  • パーテーションやカーテン:簡単に設置・取り外しができるため、柔軟な空間づくりに役立つ。
  • 本棚や収納棚:高さのある家具を間仕切り代わりに使うことで、収納と空間分けを同時に実現。

(2) ロフトベッドで上下を活用

ロフトベッドを導入することで、上下のスペースを有効に使えます。

  • 上を寝室、下を学習スペースに:子どもの成長に合わせてアレンジ可能。
  • プライバシーの確保:ベッド部分を囲うデザインを選ぶことで、個室感が高まる。

(3) 家具の配置でゾーニングを工夫

限られたスペースでも、家具の配置次第で個別の空間を作り出すことができます。

  • 学習デスクを壁沿いに配置:個別の作業スペースを確保。
  • 収納を間仕切りとして利用:収納機能とプライバシーを同時に実現。

2DK家族4人暮らしでも子ども2人の子ども部屋をつくったようす

家族全員が心地よく過ごせる工夫

(1) 共有スペースと個人スペースのバランス

完全に分けるのが難しい場合は、共有スペースの一部をパーソナルスペースとして活用する方法もあります。

  • リビングの一角を活用:家具で仕切りを作り、小さな書斎や学習エリアを設置。
  • 親と子のスペースを明確化:共有スペースのルールを決めて、お互いが快適に使える環境を作る。

(2) 時間を分けてスペースを共有する

部屋のスペースを家族で時間帯ごとに共有する工夫も有効です。たとえば、子どもが学習中はそのエリアを集中できる空間として使用し、それ以外の時間帯は家族が共有するスペースとして使います。


2DK家族4人暮らしでも子ども2人の子ども部屋を2段ベッドでつくったようす

まとめ

子どものパーソナルスペースは、心の成長にとって欠かせない要素です。間取りに余裕がない家庭でも、仕切りや家具配置の工夫を活用することで、安心して過ごせる空間を作ることが可能です。また、家族全員が快適に過ごせるバランスを意識することも重要です。

子どもの居場所を大切にしながら、限られた空間を最大限に活用する工夫を取り入れ、家族全員が心地よく暮らせる住まいを目指しましょう。それが子どもの安心感と成長を支える鍵となります。

今回の事例では、2DKの36平方メートルの団地で4人家族・兄妹2人分のパーソナルスペースを確保するために、いくつかのパターンを考えました。この工夫により、子どもたちがプライバシーを確保しながら快適に過ごせる空間が実現しました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

リンク:36平方メートルの団地2DKに兄妹2人分の「個室」を作りたい…4人家族からの相談に1級建築士が知恵を絞った最終結論

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身。日本女子大学住居学科卒業後、ゼネコン建築設計部で一級建築士としてマンション・商業ビルの意匠設計・監理やマンションモデルルームの内装デザインを担当。その後、確認検査機関にて、確認検査員/住宅性能評価員として住宅性能評価/建築基準法の検査など担当、これまでに設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。その後、機能的でおしゃれな部屋づくりを専門に行う一級建築士事務所を設立。部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/子どもが伸びる住まいの仕組みづくりなどを提案。デザインしたデスク兼用ダイニングテーブルは2024年キッズデザイン賞を受賞。

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