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【最新版】地震対策は万全?自宅の基礎ひび割れチェックと補修のポイント

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はじめに:地震が多発する日本での住まいの安全対策

近年、日本各地で地震が頻発しており、「次は自分の地域かもしれない」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか? 地震が発生するたびに住宅はダメージを受け、耐震性が徐々に低下していきます。

「うちの家は大丈夫なのか?」と心配になったとき、まずは自宅の基礎部分をチェックしてみましょう。ひび割れの状態を確認することで、建物の安全性を簡単に判断することができます。今回は、基礎のひび割れの種類や補修が必要なケース、対策方法について詳しく解説します。


1. 自宅の基礎にひび割れがあると危険?簡単チェック方法

自宅の基礎部分に発生するひび割れは、種類によって危険度が異なります。ここでは、代表的な3つのひび割れについて紹介します。

① 横方向のひび割れ(横割れ)

危険度:★★★(要注意!)

基礎部分に横方向のひびが入っている場合、地震や建物の荷重による応力クラック(構造に過剰な力がかかることで発生するひび)の可能性があります。単なる乾燥収縮ではなく、建物全体の耐久性に影響を与える恐れがあるため、早めに専門業者に相談しましょう。

② 縦方向のひび割れ(縦割れ)

危険度:★~★★★(幅による)

  • 幅が狭く、浅いひび → 仕上げ材の乾燥収縮によるものが多く、通常は問題ありません。
  • 幅が広く、深いひび → 基礎の構造に影響を及ぼす可能性が高く、早急な補修が必要です。

見分け方としては、クレジットカードが入るほどの幅があるひびは危険と判断できます。このような場合は、専門家による点検を依頼しましょう。

③ ハの字型のひび割れ(不同沈下の可能性)

危険度:★★★★(早急な対応が必要!)

建物が徐々に傾いていく「不同沈下」が進行すると、基礎部分に「ハの字」のひび割れが発生することがあります。この場合、住宅の傾きやドアの閉まりにくさといった症状も現れることが多く、建物全体の強度低下につながる恐れがあります。

このようなひび割れが見られた場合は、すぐに管轄の行政庁や国土交通省の「住まいるダイヤル」などの専門窓口に相談し、適切な対策を検討しましょう。


2. ひび割れを放置するとどうなる?考えられるリスク

基礎のひび割れを放置すると、以下のような深刻な問題につながる可能性があります。

耐震性の低下 → 地震時の揺れに対して住宅の強度が著しく低下する
雨水の浸入・鉄筋の腐食 → ひび割れから水が侵入し、基礎内部の鉄筋が錆びて強度が落ちる
シロアリ被害の拡大 → ひび割れからシロアリが侵入し、木材部分の劣化が進む
家全体の資産価値の低下 → ひび割れを放置すると、将来的な売却時に評価が下がる

特に、耐震性の低下は命に関わる問題です。小さなひび割れだからと油断せず、早めの点検・補修を行いましょう。


3. 基礎のひび割れ補修・補強方法とおすすめの対策

基礎のひび割れを発見した場合、以下の方法で補修や耐震対策を行うことができます。

① エポキシ樹脂注入補修(軽度のひび割れ向け)

【費用目安】3万円~10万円
細いひび割れには、エポキシ樹脂を注入して補修する方法が一般的です。これにより、ひびの進行を防ぎ、耐久性を回復させることができます。

② ツイン基礎補強(中~重度のひび割れ向け)

【費用目安】100万円~200万円
鉄筋コンクリート造基礎の抱き合わせて補強する方法です。通称は、ツイン基礎・抱き合わせ基礎・増し基礎などさまざまな呼ばれ方をします。

③ 地盤改良・ジャッキアップ工事(不同沈下の対策)

【費用目安】50万円~300万円以上
不同沈下によるひび割れが発生している場合、地盤改良やジャッキアップ工事が必要になることがあります。


4. 早めの対策で大切な住まいを守ろう!

地震が多い日本では、住宅の耐震性を維持するために、基礎の状態を定期的にチェックし、ひび割れを見つけたら早めに補修または補強を行うことが重要です。

「ちょっとしたひびだから大丈夫」と放置せず、専門家の診断を受けることで、安心して暮らせる住まいを維持できます。特に、大きな地震が発生した後は、基礎の状態をしっかり確認し、必要に応じて適切な補修を行いましょう。

住まいの安全を守るために、今すぐ基礎のひび割れをチェックしてみませんか?


【関連ページ】

住宅の耐震補強ガイド
すまいるダイヤル(国土交通省監修の住宅相談窓口)

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身。日本女子大学住居学科卒業後、ゼネコン建築設計部で一級建築士としてマンション・商業ビルの意匠設計・監理やマンションモデルルームの内装デザインを担当。確認検査機関では、確認検査員/住宅性能評価員として住宅性能評価/建築基準法の検査など担当、これまでに設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は機能的でおしゃれな部屋づくりを専門に行うCOLLINO一級建築士事務所を設立。部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点でつくる独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/子どもが伸びる住まいの仕組みづくりなどを提案。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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