【一級建築士が解説】家を建てるときに最も起こりやすいトラブルと防止策4選|伝達ミスをなくして後悔しない家づくりを
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「せっかくの夢のマイホーム。絶対に後悔したくない」
誰もがそう願って、間取りを考え、ショールームを巡り、予算とにらめっこをしながら理想の家を形にしていきます。
しかし現実には、住宅工事でのトラブルは少なくありません。
なかでも多くのケースで共通している原因が、**施主と施工者の間で発生する“伝達ミス”**です。
この記事では、家づくりの現場で起こりがちなトラブルとその具体的な予防策を、設計・現場両方の視点からわかりやすく解説します。
【よくあるトラブル例】実は“伝わっていない”が原因のケース多数
注文住宅の現場で起きがちなトラブルの一部をご紹介します:
- 希望していたリビングの窓のサイズや形が違う
- コンセントの位置や数が打ち合わせと異なる
- 勝手口の通路が狭くてゴミ箱が置けない
- 選んだはずのトイレや洗面台の色が違っていた
- 敷地内の大切な庭木が誤って伐採された
- 建物の配置ミスで駐車スペースが足りない
これらの問題の多くは、「しっかり打ち合わせしたはずなのに……」という**“伝えたつもり”と“伝わっていなかった”のズレ**が原因です。
【最重要】建物の配置ミスはやり直しが困難!
中でも注意すべきなのが、建物の「配置ミス」。
一度基礎工事が終わってしまうと、やり直しには莫大な費用と工期のロスが発生します。
たとえば:
- 隣家との距離が近すぎて採光やプライバシーに支障が出る
- 駐車スペースが狭くなり、車が入らない
- 勝手口やゴミ置き場が使いづらい配置に
- 建築基準法の接道義務や高さ制限に抵触する恐れ
配置ミスは後から修正が難しい“致命的ミス”につながるため、必ず工事前に現地で確認が必要です。
なぜ、こうした初歩的ミスが起きるのか?
どれだけ時間をかけて打ち合わせをしても、伝達ミスは完全には防げません。理由は以下の通りです:
- 担当者が変更され、情報が正しく引き継がれない
- 図面やメモがあっても、現場まで共有されていない
- 施主の要望が設計図や仕様書に反映されていない
- 業者側が一般的な仕様で進めてしまう
つまり、「言ったはず」ではなく「書面で確認・共有されたか」がトラブルを防ぐカギとなります。
【必見】住宅トラブルを防ぐための4つの具体的な対策
1. 【近隣対応】解体前のあいさつは業者と同行で
騒音や振動などでトラブルになりがちな解体工事。
近隣へのあいさつは、工事関係者と一緒に行いましょう。
- 工事の期間・時間帯・工程を伝える
- 解体物や車両の出入りを説明
- 庭木やブロック塀など残す部分を明確に伝える
2. 【解体前指示】残すものは図面と写真で明確に!
- 庭の樹木、外構、塀、井戸などは明示しないと撤去されることも
- 指示は書面と現場での説明をセットで行うのがベスト
3. 【地縄確認】建物の配置は必ず目視でチェック!
地縄(建物の配置を地面に示す作業)確認では、以下をチェック:
- 駐車場の広さと出入りのしやすさ
- 隣地境界との距離
- 勝手口や玄関の位置関係
- エアコン室外機・給湯器などの設置予定スペース
メジャーを持参して、実際の生活動線を想定して確認しましょう。
4. 【現場確認】工事中も要所で立ち会いを
- 窓のサイズ・配置・開き勝手
- 照明・スイッチ・コンセントの位置と数
- キッチン・トイレ・洗面台の色・仕様
- 変更希望がある場合は、書面で記録し、設計者・現場監督に共有
こまめな立ち会いと確認が、“言ったのに”を防ぎます。
【補足】工事中の変更は「追加費用」につながる可能性も
一度工事が始まると、変更には追加費用やスケジュール変更が発生することもあります。
- 仕様のグレードアップ → 材料費増
- 設置場所の変更 → 再配管・再施工の手間
- 色の変更 → 再発注の納期遅れ
「言ったつもり」をなくす=ムダな出費を防ぐ第一歩です。
まとめ|「言ったはず」が命取り!伝達ミスを防いで理想のマイホームに
注文住宅は、一生に一度の大きな買い物。
だからこそ、打ち合わせが終わったあとも、あなた自身が“現場に関わり続けること”が何より大切です。
✅ 伝達ミスを防ぐためのチェックリスト
- 要望は口頭でなく書面やメールで残す
- 工事中もこまめに現場確認・立ち会いをする
- 変更点は必ず設計者・現場監督に共有
- 建物配置や生活動線は事前に現地確認
施工業者まかせにせず、「伝える・確認する・記録する」の3点セットを徹底することで、
理想の住まいを“想像通り”に実現することができるはずです。