「シックハウス症候群」とは?家族の健康を守るための住宅対策と最新ガイド | COLLINO(コリーノ)インテリア

BLOG & INFO

「シックハウス症候群」とは?家族の健康を守るための住宅対策と最新ガイド

#シックハウス症候群#住宅環境対策#健康住宅#自然素材#24時間換気

シックハウス症候群とは、新築・リフォーム後の住宅で使われる建材、家具、日用品から放出される化学物質(VOC)が原因で起こる健康障害の総称です。具体的には、目や喉の痛み、頭痛、吐き気、皮膚のかゆみ、呼吸困難など多様な症状を引き起こし、特に最近の住宅のような高気密・高断熱の住宅で起こりやすいとされています。


主な原因となる化学物質とその健康リスク

厚生労働省が定める代表的な13種類のVOCの中でも、特に注意したいのが以下の物質です。

  • クロルピリホス(シロアリ駆除剤):神経系への作用
  • ホルムアルデヒド(合板・接着剤など):アレルギー反応や刺激症状、上咽頭がんなど
  • トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン(塗料・接着剤など):中枢神経や肝臓・腎臓、呼吸器に悪影響
  • パラジクロロベンゼン(芳香剤):腎臓・肝臓への影響

これらの化学物質は、目には見えませんが、日常的にこれらにさらされることで健康への悪影響を蓄積します。


法律で対策——2003年の建築基準法改正

建築基準法は2003年(平成15年)に改正され、シックハウス対策として以下が義務化されました

  • クロルピリホスの使用禁止:居室に使う建材への使用が不可に
  • ホルムアルデヒド放散建材の等級表示:F☆☆☆☆~F☆☆(「☆」の数が多いほどより放散が少ない)までの放散量別等級化
  • 24時間換気システムの設置義務:居室では換気回数0.5回/時以上(=1時間で部屋の空気半分を入れ替える性能)

F☆☆☆☆マークでも「ゼロ放散」ではないことを理解!

F☆☆☆☆はホルムアルデヒド放散量が最小クラスですが、完全にゼロではありません。つまりホルムアルデヒドの発散量が0.005mg/㎡h以下という基準であり、住居に長時間いる場合、蓄積される可能性があります。


健康住宅を実現する3つの対策

  • 換気:1日2~3回、5~10分の自然換気で空気を入れ替える。24時間換気設備の運転も併用し、化学物質を排出する 。
  • 低VOC・自然素材の選択:建材や家具はF☆☆☆☆等級や自然素材(無垢材・珪藻土・漆喰)を選び、化学物質の発散を抑制
  • 家具・日用品も注意:家具、カーテン、カーペットなど日用品は低ホルムアルデヒド仕様や自然素材を。通販品は成分表示を確認し、安心して使える製品を選びましょう。

まとめ|住宅環境が家族の健康を左右する

シックハウス症候群の原因は見えないVOC。昨今の高気密住宅ほど換気が不可欠になります。また、F☆☆☆☆建材でも完全無害ではないため、常に換気して化学物質の蓄積を防ぎましょう。建材・家具・日用品の選定や換気習慣で、家族の健康を十分に守ることが可能です。

住環境への投資は、家族の“健康という価値”を守る大切な資産になります。少しの知識と工夫で、毎日を安全・快適に過ごせる住まいを作っていきましょう。

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/教育建築士
東京都出身、日本女子大学在学中に英国留学、インテリアデザインを学ぶ。ゼネコン・確認検査機関では住宅の設計・審査・検査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の実務をこなす。 “住まいを診断”する検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整える家具配置の視点を持つプロ。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

コメントは受け付けていません。

関連記事

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2024 一般社団法人日本模様替え協会 All rights Reserved.