子どもの片付けはベッドメイキングから|自立を育てる子ども部屋の整え方

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子どもの片付けはベッドメイキングから|住まいを整える習慣が自立につながる理由

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自分でベッドメイキングをする小学生の子どもと整った子ども部屋

「何度言っても子どもが片づけない」

「子ども部屋がいつも散らかっている」

「中学生になっても、脱いだ服や物を出しっぱなしにする」

子育て中のご家庭から、こうしたご相談をいただくことがあります。

けれど私は、子どもの片付けについて考えるとき、単に「部屋をきれいにすること」だけを目標にしなくてもよいのではないかと思っています。

もっと大切なのは、

自分が使う場所を、自分で整える。

という習慣を、子どものころから少しずつ身につけることです。

その最初の一歩としておすすめしたいのが、実はとても簡単なこと。

毎朝、自分のベッドを整えることです。

私がそう考えるようになったきっかけには、小学生のころの、今でも忘れられない出来事があります。

小学生のころ、友達の家で驚いたこと

私が小学生だったころ、友達の家へ遊びに行ったことがあります。

そのお宅は、新宿区西落合の閑静な住宅地にある、とても立派なお家でした。

裕福なご家庭で、子どもにも当然のように一人ひとり個室があり、友達にも自分専用の部屋がありました。

私は、その部屋に入ったときのことを今でも覚えています。

子どもの部屋なのに、きちんと整っていたのです。

もちろん、モデルルームのように何も置かれていなかったわけではありません。

普通に子どもが生活している部屋です。

それなのに、なぜか全体がすっきり見える。

そのとき、友達が何気なくこんなことを言いました。

「個室はね、ベッドメイキングをとりあえずしておけば、部屋がきれいに見えるから、それだけは毎朝自分でしなさい、ってお母さんに言われているの」

小学生だった私は、その言葉に少し驚きました。

「自分の部屋だから、自分で整えるんだ」

子どもながらに、友達がとても自立しているように感じたのです。

そして何十年経った今でも、その言葉を覚えています。

子どもに「全部片づけなさい」は難しい

子どもの部屋が汚いと、親はつい、

「片づけなさい」

「ちゃんとしなさい」

「床に物を置かないで」

と言ってしまいます。

けれど、子どもにとって「部屋を片づける」という言葉は、実はかなり曖昧です。

何をしたら片づいたことになるのかが分からないからです。

机の上を片づけるのか。

本を本棚へ戻すのか。

洋服をたたむのか。

おもちゃをしまうのか。

床にある物を全部移動するのか。

大人にとっては当たり前でも、子どもには「片づいた状態」の完成形が見えていないことがあります。

だから私は、最初から完璧な片付けを求めるより、

「まず、これだけは自分でする」

という小さなルールを決めるほうがよいと思っています。

その一つが、ベッドメイキングです。

なぜベッドメイキングなのか

ベッドは、子ども部屋の中でも面積の大きな家具です。

特に4.5畳、5畳、6畳程度の一般的な子ども部屋では、ベッドが占める割合はかなり大きくなります。

そのため、布団や毛布がぐしゃぐしゃになっているだけで、部屋全体が散らかって見えます。

反対に、

  • 掛け布団を整える
  • 枕を定位置に置く
  • パジャマをしまう

これだけでも、部屋の印象はかなり変わります。

つまりベッドメイキングは、子どもにとって、

短時間で「自分で部屋を整えた」という成果が目に見える行動

なのです。

片付け習慣を身につけるには、この「できた」という感覚がとても大切です。

「片づけられる子」にするより、「自分のことを自分でする子」に

私は、一級建築士として多くの住まいを見てきました。

また、自分自身も二人の子どもを育ててきました。

その経験から感じるのは、子どもの片付けを、

「きれい好きな子にするための教育」

と考えなくてもよいということです。

むしろ、

自分の持ち物を自分で管理する。

自分が使った場所を自分で整える。

次に使いやすい状態へ戻しておく。

こうしたことを学ぶための生活教育なのだと思います。

親が何でも先回りして片づけてしまえば、部屋は一時的にはきれいになります。

でも、子ども自身が「暮らしを整える力」を身につける機会は減ってしまいます。

逆に、ほんの小さなことでも、

「これはあなたの役割」

と任せることで、自分の生活に責任を持つ感覚が育っていきます。

小学生なら「1つ」から始めればいい

もちろん、小学生に大人と同じレベルの片付けを求める必要はありません。

最初は一つで十分です。

たとえば、

「朝起きたら布団だけ整える」

それだけでもいい。

慣れてきたら、

「脱いだパジャマはここ」

「ランドセルはここ」

「学校から帰ったらプリントはここ」

というように、一つずつ増やしていきます。

ここで大切なのは、精神論だけにしないことです。

ランドセルを戻してほしいなら、戻しやすい場所にランドセル置き場をつくる。

洋服を自分でしまってほしいなら、子どもが届く高さに収納をつくる。

教科書を戻してほしいなら、机から遠く離れた場所ではなく、勉強する場所の近くに本棚を置く。

子どもの片付けは、本人の性格だけではなく、家具配置や収納の位置にも大きく左右されます。

「片づけなさい」と何度言っても片づかない場合は、子どもだけの問題ではなく、住まいの仕組みを見直してみることも必要です。

中学受験をする子にも「自分で整える習慣」は大切

中学受験をするご家庭では、勉強時間をどう確保するか、集中できる子ども部屋をどうつくるか、といったことに目が向きがちです。

もちろん学習環境は大切です。

けれど、私はそれと同じくらい、

自分が勉強する場所を、自分で整える習慣

も大切だと思っています。

机の上がプリントや文房具でいっぱいになってから親が片づける。

必要なテキストを親が探す。

翌日の準備をすべて親がする。

これでは、勉強そのものはできても、生活面では親への依存が続いてしまいます。

中学受験は、親子で取り組む大きなプロジェクトです。

だからこそ、勉強以外の小さなことから、

「自分のことは自分でする」

という習慣をつけておくことは、長い目で見れば子どもの自立につながっていきます。

たとえば、

朝はベッドを整える。

帰宅したらランドセルを戻す。

勉強が終わったら机の上をリセットする。

寝る前に明日の準備をする。

一つひとつは、とても小さな行動です。

でも、その積み重ねが「自分の暮らしを自分で管理する力」になっていきます。

子ども部屋は、自立を練習する小さな家

私は、子ども部屋というのは単に「子どもを寝かせる場所」「勉強させる場所」ではないと思っています。

子どもが初めて持つ、

「自分で管理する小さな住まい」

でもあるのではないでしょうか。

どこに何を置くのか。

使った物をどこへ戻すのか。

どうすれば気持ちよく過ごせるのか。

物が増えすぎたら何を残すのか。

こうしたことを、自分の部屋という小さな空間で経験していく。

それはやがて、一人暮らしをするときにも、結婚して家庭を持ったときにも役立ちます。

「住まいを整える力」は、学校ではなかなか教えてもらえません。

だからこそ、家庭の中で少しずつ教えていくことに意味があるのだと思います。

まずは明日の朝、ベッドを整えることから

小学生のころに友達から聞いた、

「ベッドメイキングだけは毎朝自分でする」

という言葉。

当時はただ「しっかりした子だな」と思っただけでした。

けれど、住まいの仕事に長く携わり、そして自分自身も子育てを経験した今、そのお母さまが子どもに教えていたことの意味が、よく分かるようになりました。

大切なのは、いつも完璧に片づいた部屋にすることではありません。

自分の暮らす場所は、自分でも整える。

その感覚を子どものころから少しずつ育ててあげること。

「部屋を全部きれいにしなさい」ではなく、

「まずは朝、ベッドを整えてみよう」

そこからで十分なのだと思います。

住まいを整えることは、単なる片付けではありません。

子どもが自分の生活を自分でつくっていくための、小さな自立の練習なのです。

COLLINOでは女性一級建築士が、お客様一人ひとりの暮らしに寄り添い、
将来を見据えたリフォームや模様替えプランを丁寧に作成いたします。
安心と上質を兼ね備えた住まいづくりを、ぜひご相談ください。

この記事の著者

しかま のりこ

「部屋が狭い」「収納グッズを買っても片付かない」「垢抜けない」など、住まいの困りごとを、模様替えやインテリアコーディネート、リフォームなど空間の使い方から解決する一級建築士。
これまで5,000件以上の住宅に携わり、家具配置・収納・動線・インテリア・リノベーションなど、暮らしやすい住まいづくりを提案。子育ての経験も生かし、住まいと子どもの学び、自分らしく暮らすための住環境、住まいの仕組みづくりなど、暮らしと住環境の関係についても発信。

著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)のほか、デザイン賞の受賞、テレビ・ラジオ出演なども多数。

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