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@Living掲載~クランクイン玄関のメリットデメリット

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クランクイン玄関とは、玄関の入り口から室内が直接見えないように配置された設計を指します。廊下や壁の配置によって視線を遮り、玄関からまっすぐ室内に入らず、一度曲がる動線を作るのが特徴です。このデザインは機能的かつ美観に配慮した住まいづくりに採用されることが多いですが、一方で住む人のライフスタイルによってはデメリットとなる場合もあります。

ここでは、クランクイン玄関のメリットとデメリットについて、一級建築士が詳しく解説します。


一級建築士がクランクイン玄関のメリットデメリットについて解説

クランクイン玄関のメリット

(1) プライバシーの確保

玄関を開けたときに室内が直接見えないため、外部からの視線を遮ることができます。

  • 生活感を隠せる:リビングやダイニングなど、散らかりやすい空間が玄関から見えない設計は訪問者への印象を良くします。
  • セキュリティの向上:防犯面でも室内の様子が外から確認しにくい点が安心につながります。

(2) 動線の工夫が可能

クランクインの構造により、玄関から続く廊下やスペースを多目的に活用できます。

  • 収納の拡充:曲がり角部分にシューズクロークやコート掛けを設けることで収納力をアップ。
  • ゾーニングの明確化:玄関と居住空間をしっかり分けることで、帰宅後の靴や外套などを整理しやすくなります。

(3) デザイン性が高い

クランクイン玄関は、設計の自由度が高く、個性的で洗練された空間を作りやすいです。

  • 視覚的な奥行きの演出:玄関ホールを広く見せたり、アクセントを加えたりすることで家全体の印象をアップ。
  • 快適な玄関空間:壁面を活用してアートや照明を配置することで、来客時の第一印象を良くすることができます。

クランクイン玄関のデメリット

(1) スペースが必要

通常の直線的な玄関に比べ、クランクイン玄関は多くのスペースを必要とします。

  • 建物の敷地面積に制約がある場合は不向き:特に狭小住宅では、居住スペースが圧迫される可能性があります。
  • 設計・施工費用が高くなる:壁や廊下を追加する必要があるため、コスト面での負担が増えることもあります。

(2) 動線が長くなる

曲がり角があるため、玄関から室内への移動が遠回りになることがあります。

  • 日常生活で不便を感じる場合がある:買い物袋を持っているときや車椅子、ベビーカーの使用時に動線が複雑になる可能性。
  • 効率性を重視する人には不向き:シンプルな動線を好む場合にはデメリットとなることがあります。

(3) 採光や換気に制限が出る場合がある

クランクイン玄関の構造上、光や風が入りにくい配置になることもあります。

  • 暗い印象になりやすい:照明や窓の配置が不十分だと玄関が暗く閉塞感を感じる空間になることがあります。
  • 換気が難しい:空気が滞留しやすく、玄関部分に湿気や匂いがこもる可能性があるため、適切な通気対策が必要です。

クランクイン玄関を選ぶ際の注意点

クランクイン玄関を採用する場合は、以下のポイントに注意することで快適な住まいを実現できます:

  • ライフスタイルを考慮:家族構成や日常の動線を考え、必要なスペースと用途を明確にする。
  • 採光と換気の工夫:窓や玄関ドアに採光用のガラス素材を使い、自然光を取り入れる工夫をする。
  • 収納の活用:広くなった玄関スペースを効率的に使うため、収納やディスプレイコーナーを設計に盛り込む。

まとめ

クランクイン玄関はプライバシーの確保やデザイン性の高さなど多くのメリットがある一方で、スペースの確保や動線の複雑さといったデメリットも存在します。選択する際は、敷地面積や家族の生活スタイル、そして予算を十分に考慮することが重要です。また、設計段階で専門家と相談しながら、快適さと利便性のバランスを取ることが理想的な住まいづくりに繋がります。クランクイン玄関を上手に活用することで、機能性と美しさを兼ね備えた住空間を実現しましょう。

クランクイン玄関についてはこちらの記事も書きましたので参考にしてみてください。

リンク:人気の間取り「土間収納」のメリット・デメリット

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身。日本女子大学住居学科卒業後、ゼネコン建築設計部で一級建築士としてマンション・商業ビルの意匠設計・監理やマンションモデルルームの内装デザインを担当。その後、確認検査機関にて、確認検査員/住宅性能評価員として住宅性能評価/建築基準法の検査など担当、これまでに設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。その後、機能的でおしゃれな部屋づくりを専門に行う一級建築士事務所を設立。部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点から模様替えする独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/子どもが伸びる住まいの仕組みづくりなどを提案。デザインしたデスク兼用ダイニングテーブルは2024年キッズデザイン賞を受賞。

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