ふたりの時間を“育てる”インテリア~結婚初期から始める、長く快適に暮らす空間設計術

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「ふたりの時間を“育てる”インテリア」──結婚後の暮らしを豊かにする空間設計の考え方

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ホテルライクな雰囲気を演出するリビング模様替え|女性建築士による東京のインテリアコーディネート

結婚や同棲を機に、ふたりの新しい暮らしが始まるとき。
それは「誰かと住む」ということ以上に、“空間を共有して生きる”という新しいステージの始まりです。
仕事の時間も、家で過ごす時間も、生活のすべてが重なり合う中で、ふたりの“心地よさ”をどう設計していくか。
その鍵を握るのが、インテリアの考え方です。


“ふたりの暮らし”は、価値観をすり合わせることから始まる

一人暮らしのときは、自分の好みと使いやすさだけで空間をつくることができました。
しかし、ふたりの生活が始まると「好きなもの」「落ち着く色」「過ごし方」の違いが自然と現れます。
片方はミニマル、もう片方は温かみのある木の家具が好き──そんな組み合わせも珍しくありません。

大切なのは、どちらかに合わせることではなく、ふたりにとって“ちょうどいい中間点”を探すこと
テイストを融合させ、色や素材を調和させると、心がほっとする空気が生まれます。
それは、ふたりの関係そのもののように、少しずつ馴染み、育っていくものです。


2人分の快適さを叶える家具選びの工夫

家具を選ぶときの視点も、“ふたりで暮らす前提”に変わります。

  • ダイニングテーブル:ふたりで座っても余裕があり、来客にも対応できる120〜140cmサイズがおすすめ。
  • ソファ:正面で向き合うより、斜めに視線が交わる配置が会話を自然にします。
  • 収納:完全共有よりも、「共通ゾーン」と「個人ゾーン」を分けると片付けがスムーズ。

こうした小さな設計の積み重ねが、
「相手に合わせすぎず、自分も大切にできる」距離感をつくります。


将来の変化を見据えた“しなやかな空間設計”

結婚初期は「今の暮らし」に目が行きがちですが、
これから10年を見据えると、ライフステージの変化は想像以上に早く訪れます。

たとえば、

  • 在宅勤務が増える
  • 子どもが生まれる
  • 引っ越しや転勤がある
    など、住まいに求められる条件は変化していきます。

このときに役立つのが、可変性のあるインテリア
たとえば、伸長式テーブル、組み替え可能な収納、張り替えられるソファ。
“買い替える”のではなく“育てる”発想で選ぶことで、
家具も空間も、人生の変化に寄り添う存在になります。


空間が、ふたりの関係をやさしく支える

住まいの中で最も大切なのは、心の距離を保てる設計です。
同じ部屋にいながら、それぞれが安心して過ごせる“間”を持つこと。

たとえば、

  • リビングに一人掛けチェアを2脚置き、それぞれの「小さな居場所」にする
  • 同じ空間で別の作業ができるよう、向かい合わせではなく並列配置にする
  • 間接照明やラグでゾーニングし、気配を感じながら過ごせる空気感をつくる

「一緒にいるけれど、縛られない」。
そんな絶妙な距離感が、長く続く関係の土台になります。


家具と共に、思い出を育てるという贅沢

結婚初期に選んだ家具を、10年、20年と共に使い続ける。
それは、ふたりの時間の積み重ねを形として残す行為でもあります。

食卓に刻まれた小さな傷も、
休日のコーヒーの香りも、
やがて“ふたりの暮らしの記憶”になる。

モノを育てるように、暮らしを育てていく──
それが、ふたり暮らしのインテリアのいちばんの魅力です。


専門家とつくる「これからを見据えた二人暮らし」

Collinoのインテリアコーディネートコースでは、
ふたりの好み・生活リズム・将来設計をヒアリングし、
“今も未来も快適な空間”をデザインします。

結婚初期は、住まいを整える絶好のタイミング。
家具や照明、動線を整えることで、
ふたりの人生を支える“空間の基盤”をつくることができます。
ぜひ、ふたりの暮らしを、これからも続く物語としてデザインしてみましょう。

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/教育建築士
東京都出身、日本女子大学在学中に英国留学、インテリアデザインを学ぶ。ゼネコン・確認検査機関では住宅の設計・審査・検査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の実務をこなす。 “住まいを診断”する検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整える家具配置の視点を持つプロ。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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