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冬の火災リスクを徹底解説!ダウンライトの出火原因と安全対策

#ダウンライト#住宅火災#火事#照明

寒さが本格的になる冬は、空気が乾燥するため火災のリスクが高まる季節です。ストーブやコンロなどの暖房器具だけでなく、ダウンライトなどの照明器具も、出火原因となることをご存知でしょうか?この記事では、見落としがちなダウンライトによる火災の事例と、効果的な火災対策について詳しく解説します。


1. 白熱電球が引き起こす火災事故の実例

1-1. 事件概要:デザインイベントでの悲劇

2016年11月初旬、デザインイベント「TOKYO DESIGN WEEK2016」で、展示作品の木製ジャングルジムが燃え上がる事故が発生しました。この火災では、ジャングルジムで遊んでいた5歳の男児が死亡し、2名が負傷するという痛ましい結果となりました。

1-2. 出火原因:照明器具と可燃性の木くず

消防や警察の調査によると、木製ジャングルジム内部に敷き詰められていた「かんなくず」に、白熱電球を使用した大型投光器から発せられた熱が加わったことが原因とされています。かんなくずは紙や布、木製家具と同様、非常に燃えやすい性質があり、消防法上も「指定可燃物」として扱われています。白熱電球は点灯後短時間で表面温度が100度以上に達するため、熱が直接可燃物に伝わるリスクが高いのです。


2. ダウンライトによる火災リスクと実験データ

2-1. 住宅に潜む火災リスク

住宅内に設置されているダウンライトも、火災の発生源として注意が必要です。特に、押し入れや納戸、洗面所などに設置されたダウンライトの直下に、布団、衣類、段ボールなどの可燃性の収納物を積み重ねると、電球の発する熱で着火する恐れがあります。

2-2. 東京消防庁の統計と実験結果

東京消防庁の報告によれば、平成23年から平成27年までに住宅の押し入れ等に設置されたダウンライトに起因する火災が47件発生し、そのうち26件がダウンライト直下の収納物から発生したものです。さらに、白熱電球100Wを使用したダウンライトの下に真綿布団を置いた実験では、点灯後10分で発煙、約1時間で発火するという結果が得られています。


3. ダウンライト火災を未然に防ぐための対策

火災を防ぐためには、日頃の注意と適切な設置方法が重要です。東京消防庁も以下の対策を推奨しています。

  • 設置場所の確認: 室内、物置、納戸、洗濯機設置場などの収納スペース内にあるダウンライトの位置をしっかり確認する。
  • 安全距離の確保: メーカーの説明書やホームページに記載された安全上の注意事項を守り、ダウンライトから収納物まで少なくとも50㎝以上の距離を確保する。
  • 点灯状況のチェック: 室内や収納スペースを出入りする際、照明器具の点灯状態を必ず確認する。
  • 誤作動防止: スイッチの押し間違いや体・物との接触による誤点灯に注意する。

4. まとめ:冬季の火災対策は日常点検から

冬は乾燥により火災が発生しやすい季節です。照明器具、特にダウンライトの使用時は、周囲の収納物や可燃性物質の配置に十分注意しましょう。衣類や布団の入れ替え時には、ダウンライト付近に無理に物を積み上げないなど、日頃の点検と適切な対策が火災を未然に防ぐカギとなります。

安全な冬を過ごすために、この記事で紹介した火災対策をぜひ参考にしてください。

【参考】

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この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身、日本女子大学住居学科卒業。住宅の設計・審査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の住まいを見てきたプロ。 “住まいの健康診断” をする検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整えるアドバイザーの柔らかい視点 をあわせ持つ、住まいの「ドクター&スタイリスト」。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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