高齢夫婦のための住まい改造計画|模様替え&スマートホームで安全・快適に

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いつまでも健康で自立して暮らすために――高齢夫婦の「安全・快適な住まい大改造計画」

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「子どもに頼らず、自宅で快適に暮らしたい」シニア世代へ。安全性・快適性・上質デザインを両立させるリフォーム&模様替えの工夫を紹介。

「健康寿命」をいかに長く保つか

日本は世界に先駆けて、超高齢社会を迎えています。平均寿命は延びても、心身ともに自立して過ごせる「健康寿命」をいかに長く保つかが、大きな課題となっています。ところが現実には、多くの方が「子どもが小さかった頃のまま」「親から受け継いだまま」の住まいに暮らし続けています。そこには、段差や暗がり、通路をふさぐ家具や不要な物など、健康や安全を脅かす要因が潜んでいるのです。

本当に安心して暮らし続けるには、介護が必要になる前の“元気なうち”にこそ、住まいを整える必要があります。しかも、大がかりなリフォームでなくても構いません。家具の配置や不要物の整理、さらにスマートホーム機能の導入といった「模様替えの工夫」だけで、暮らしは驚くほど安全で快適になるのです。


健康で自立した暮らしを守る住まいとは

高齢者の事故の多くは、実は外出先ではなく“自宅”で起きています。特に転倒やつまずきは介護のきっかけになることが少なくありません。また、冬場の急激な温度差によるヒートショックも深刻です。
安全・快適な住まいとは、転倒を防ぎ、温度差をやわらげ、誰もが安心して自立した生活を送れる空間のこと。言い換えれば、住まいの環境を変えることが、健康寿命をのばす一番の近道なのです。


「大改造=リフォーム」ではない。模様替え+スマートホーム化という選択

「大改造」と聞くと、壁を壊したり浴室を新しくしたりと、大規模なリフォームを思い浮かべる方が多いでしょう。しかし実は、模様替えや小さな工夫で住まいは十分に変えられます。

例えば家具の配置を変えて通路を広げれば、夜中にトイレへ向かうときも安心です。照明をセンサー付きに変えれば、暗がりでつまずく心配も減ります。そして現代ならではの大きな味方が「スマートホーム化」です。

声だけで照明やエアコンをつけたり、テレビを操作したり。朝「今日の天気は?」と話しかければ、すぐに予報を教えてくれます。アラームを声でセットすれば、薬の時間も忘れません。こうした仕組みは工事不要、コンセントに差すだけの機器から始められます。難しそうに見えて、意外と手軽なのです。


安全を守る模様替えの工夫

まず大切なのは「不要な物を整理する」ことです。子どもや孫と暮らしていた頃のままの大きなダイニングテーブルや食器棚、何十客もある食器……。その多くは、いまの夫婦二人には必要ありません。暮らしに合わない家具や食器を手放し、夫婦サイズのコンパクトな家具に入れ替えることで、住まいに“余白スペース”が生まれます。その余白こそが、移動を楽にし、安全を守る最良の工夫なのです。

さらに、段差をなくすこと、電気コードをまとめることも欠かせません。廊下や出入り口をふさぐ家具は壁際に寄せ、動線をまっすぐに整えましょう。照明はセンサー式や足元灯を取り入れると安心です。


快適性を高める模様替えの工夫

安全性に加え、暮らしを心地よく保つ工夫も重要です。

・よく使う物は「立ったまま手が届く高さ」に配置し、しゃがむ・背伸びする動作を減らす。
・冷暖房効率を高めるカーテンや家具配置を工夫し、夏冬の体温ストレスをやわらげる。
・夫婦それぞれが落ち着ける「お気に入りコーナー」を設け、リフレッシュできる時間をつくる。

こうした工夫もまた、健康で自立した暮らしに直結します。


夫婦で楽しむ「住まい大改造計画」

模様替えやスマートホーム化は、夫婦が一緒に考え、取り組める楽しいプロジェクトです。「どんな照明にする?」「この家具は残す?」と話し合う時間そのものが、二人の未来をデザインすることになります。

さらに子どもや孫世代も巻き込めば、家族の会話も自然に増えます。世代を超えて安心な住まいを一緒に整えることは、絆を深める絶好の機会でもあるのです。


まとめ:未来を安心に変える「小さな大改造」

安全・快適な住まいをつくるのは、大きなリフォームだけではありません。家具の配置を変えること、不要な物を手放すこと、そしてスマート家電を取り入れること。こうした小さな工夫の積み重ねが、健康寿命を延ばし、自立した暮らしを守ります。

「介護が必要になってから」では遅いのです。元気なうちにこそ、未来の安心のために一歩を踏み出しましょう。模様替えとスマートホーム化で、これからの暮らしをより豊かに、美しく整えることで、人生の後半をより豊かに楽しむことができるのです。

COLLINOでは女性一級建築士が、お客様一人ひとりの暮らしに寄り添い、将来を見据えたリフォームや模様替えプランを丁寧に作成いたします。
安心と上質を兼ね備えた住まいづくりを、ぜひご相談ください。

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/教育建築士
東京都出身、日本女子大学在学中に英国留学、インテリアデザインを学ぶ。ゼネコン・確認検査機関では住宅の設計・審査・検査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の実務をこなす。 “住まいを診断”する検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整える家具配置の視点を持つプロ。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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