高級感が出るカーテンの選び方|ホテルライクな部屋をつくる最も手軽な方法

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高級感のある住まいに“カーテン”が欠かせない理由――ホテルライクを叶える最も手軽で効果の大きいインテリア術

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高級ホテルの客室に一歩足を踏み入れたとき、私たちは無意識のうちに「落ち着く」「上質だ」と感じます。それは、家具の素材や照明だけでなく、窓まわりの仕立てが生み出す“空気の質”が、大きく影響しているからです。じつは、その中心となるのが、ファブリックなどのカーテンです。

カーテンは、単なる日除けではありません。
「部屋の印象を決定づける大きな面積をもつ“建築的な要素”」であり、ラグジュアリーな空間づくりには欠かせない存在です。ここでは、なぜカーテンが高級感をつくるのか、そしてホテルライクな空間づくりにどのように役立つのかを、空間設計の専門家の視点から解説します。


壁面を整え、“ノイズのない空間”をつくるのがカーテンの役割

高級ホテルの客室に共通するのは、視界に“ノイズ”がほとんどないことです。
この「ノイズ」とは、空間を雑多に見せてしまう要素—窓枠・サッシの色、凹凸、外の景色の乱雑さなどです。

カーテンは、このノイズを一枚の布で優しく覆い、壁面をフラットに整える効果があります。
特に天井付近から床まで“たっぷりとした丈”で吊るすと、まるで壁が伸びたように感じられ、空間に統一感が生まれます。

・余計な線を隠し、空間を整える
・縦ラインが強調され、天井が高く見える
・カーテンの“揺らぎ”が窓辺に柔らかな表情をつくる

この効果こそ、高級ホテルならではの上質感を演出するポイントです。


素材感が“空気の質”を変える。高級感の決め手はファブリック

カーテンの魅力は、なんといっても素材の豊かさです。
織りの密度、光沢、重さ、透け感。どれも壁紙や床材では出せない、布ならではの“質感”です。

・リネンのような自然素材は、柔らかな光を通してナチュラルな高級感を
・ベルベットのような重厚な素材は、ホテルスイートのような深みのある空間を
・遮光カーテンのマットな質感は、落ち着きと洗練を

カーテンを変えただけで、部屋の空気が一段階アップグレードされるのは、この素材の力によるものです。

また、昼と夜で表情が変わるのもカーテンならではの魅力。
昼は光を受けてふわりと揺れ、夜は照明を受けてしっとりと落ち着く。
この“二面性”が、毎日の暮らしに豊かさをもたらします。


レースカーテンとの二重構成が、ホテルライクの最大のポイント

ホテルライクといえば、ドレープ(厚地)+レース(薄地)の二重レイヤーです。
これがあるだけで、空間に奥行きが生まれ、窓辺が一気にプロ仕様になります。

レースは、光をやわらかく取り込みつつ外からの視線をコントロールし、
ドレープは、夜の重厚感とプライバシーを確保します。

二重構成にすると:
・窓辺に“層”が生まれ、立体的で高級感のある見た目に
・昼夜で表情が変わり、空間の演出力が高まる
・光の量を細かく調整でき、居心地が格段に良くなる

この構成は、ホテルでは当たり前のように使われていますが、実は一般住宅でも取り入れるだけで雰囲気が劇的に変わります。


色選びと“床までの長さ”で、仕上がりが決まる

高級感のあるカーテンづくりには、次の2つが非常に重要です。

① 色は“壁と調和するニュートラル”が基本

グレー、ベージュ、アイボリー、グレージュなど、壁と喧嘩しない色は失敗がありません。
カーテンを主張させるよりも、空間に溶け込ませる方が上質に見えます。

② “床に届く丈”にする

丈が短いと、一気に生活感が出てしまいます。
床ギリギリ、もしくは1〜2cm長い「ブレイクスタイル」にすると、ホテルのような豊かさが生まれます。しかし、ほこりがカーテン裾につきやすいので、こまめな掃除や洗濯は必要になるので、その点は注意してください。

丈と色。この2つだけでも仕上がりの印象は大きく変わります。


カーテンは“最もリターンの大きい投資”

高級感を求める方の多くが、ソファやテーブルなど“家具”に予算を割きますが、実は同じ金額を投資するなら、カーテンのほうが空間全体に与える影響が圧倒的に大きいです。

・部屋の面積を占める割合が大きい
・壁の一部として視界に常に入る
・光の仕上がりにも関わる
・季節に左右されず長期的に使える

だからこそ、ホテルはカーテン選びに最もこだわります。
そして一般住宅でも、高品質なカーテンを選ぶだけで、“住まいそのもののレベル”がワンランク上がるのです。


まとめ:カーテンは、“空間の表情を決める主役”

高級感やホテルライクな空間を求める方にとって、カーテンは決して脇役ではありません。
むしろ、部屋の完成度を左右する最重要アイテムです。

・ノイズを消し、空間を整える
・素材感で空気の質を上げる
・レースとの二重構成で奥行きをつくる
・床まで流れる丈で豊かさを演出する

これらが組み合わさったとき、住まいは驚くほど洗練されます。

カーテンは、買い替えやすいアイテムでありながら、住まいの印象を左右する影響力は絶大です。
家具を変えるよりも手軽で効果が高い、“最も費用対効果の高いインテリア投資”とも言えるでしょう。

上質で落ち着きのある住まいにしたい方こそ、まずはカーテンから。
それだけで、毎日の暮らしは驚くほど変わります。

この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/教育建築士
東京都出身、日本女子大学在学中に英国留学、インテリアデザインを学ぶ。ゼネコン・確認検査機関では住宅の設計・審査・検査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の実務をこなす。 “住まいを診断”する検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整える家具配置の視点を持つプロ。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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