家族の居場所がない!在宅勤務で夫婦関係がギクシャクする原因と対策 | COLLINO(コリーノ)インテリア

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家族の居場所がない!在宅勤務で夫婦関係がギクシャクする原因と対策

#在宅勤務#夫婦関係悪化#家具配置

コロナ禍によって急速に普及した在宅勤務(テレワーク)は、通勤時間の短縮や自由度の高さなど、多くのメリットをもたらしています。しかし、その一方で「家族の居場所がない」「夫婦関係がギクシャクしてきた」といった悩みが増えているのも事実です。家族と過ごす時間が増えるはずなのに、なぜギスギスしてしまうのか。ここでは、在宅勤務が原因で夫婦関係が悪化する理由と、その対策について考えてみたいと思います。


在宅勤務で生まれる「家族の居場所がない」感覚

在宅勤務が広がる以前は、家族それぞれが学校や会社へ出かけ、家は主に「くつろぐ場所」「休日を過ごす場所」という役割を担っていました。しかし、在宅勤務が始まると、家が「仕事場」としての機能を持つようになります。すると、今までリビングやダイニングでゆったり過ごせていた空間にパソコンや資料が持ち込まれ、電話やオンライン会議が始まる。家族が集まる場所だったはずの部屋が突然“職場”へと変わってしまうのです。

事例:リビングが“夫のオフィス”に早変わり

ある30代夫婦のAさん宅では、夫が在宅勤務に切り替わってからリビングが完全に仕事場と化しました。ダイニングテーブルの上にはノートPCや書類が常に散らばり、オンライン会議があるときは妻や子どもが部屋を追い出される状態に。もともとリビングで子どもと遊んだり、夫婦でテレビを見たりしていた時間が削られ、家族で気兼ねなく過ごせる場所がなくなってしまいました。結果として、妻と夫のコミュニケーションが激減し、子どもも「パパと遊べない」と不満が募ったそうです。

事例:妻の在宅勤務、夫は出社というパターン

別のケースでは、妻が在宅勤務に切り替わり、夫は以前と変わらず出勤しているというパターンがあります。子どももコロナ渦以降不登校気味になり、常に家にいる状態です。妻は仕事と家事の両立のほか、不登校の解決に追われ、夫は「家にいる時間が増えたんだから少しくらい家事が楽になるのでは?」「子どもとコミュニケーションをとって」と期待。しかし実際は、仕事と家事・育児を同時進行しなければならない妻の負担は激増しており、夫婦間に不満が溜まっていきました。


夫婦関係がギクシャクする原因

在宅勤務がもたらす「家族の居場所がない」状態は、夫婦関係にも大きな影響を及ぼします。ここでは、その具体的な原因をいくつか挙げてみましょう。

1. プライベートと仕事の境界線が曖昧になる

在宅勤務では、オフィスと家庭の明確な区切りがなくなります。仕事中でも家庭の用事が目に入ったり、逆に休憩時間に仕事の連絡が入ったりするため、常に気持ちが落ち着かない状態に陥りがちです。結果として、仕事に集中している側は邪魔をされたと感じ、逆に家事や育児で忙しい側は「家にいるのに何も手伝ってくれない」と不満を抱くようになります。

2. コミュニケーション不足・ミスコミュニケーション

同じ家に長時間いると、いつでも話せると思いがちで、かえってきちんと会話をとらなくなることがあります。さらに、ちょっとした物音や会話が気になって集中できないためにイライラしていると、何気ない言葉でも家族の誤解を生みやすくなります。

3. 家事・育児の負担の偏り

在宅で仕事をしていても、会社勤め時代と同じように業務をこなさなければなりません。しかし、家にいるというだけで「家事や育児もできるのでは?」と期待されることが多く、「在宅勤務だってきちんと仕事の時間が必要なのに、それを理解してくれない」と負担を感じる人は少なくありません。特に小さな子どもがいる場合、保育園や幼稚園、学校が休みになれば常に子どもが家にいる状態となり、さらにストレスが増幅します。

4. お互いのストレスが伝播してしまう

夫婦は生活をともにするパートナーであるがゆえに、一方が抱えるストレスがもう一方に伝わりやすいという特徴があります。在宅勤務で仕事の進捗が思うようにいかず焦っている、あるいは家事や育児が思うように回らない……といった状態が続くと、イライラが互いにぶつかり合って、関係がギクシャクする原因になります。


夫婦関係の悪化を防ぐための対策

在宅勤務は、うまく活用すればワークライフバランスを整えやすく、家族との時間を増やすチャンスにもなります。以下の対策を参考に、夫婦関係の悪化を防ぎましょう。

1. 空間の分割と仕事用スペースの確保

最も効果的な方法の一つは、仕事スペースと生活スペースをはっきり分けることです。可能であれば、使っていない部屋を仕事部屋にする、またはパーテーションを利用して視覚的に区切るなどの工夫をすると良いでしょう。仕事と私生活の境界が明確になると、お互いに干渉し合う機会が減り、イライラも軽減されます。

2. スケジュール共有とこまめなコミュニケーション

夫婦間でスケジュールを共有し、オンライン会議の時間や締め切りが迫っているタイミングなどを事前に把握しておくと、不要な干渉や無用なトラブルを回避できます。子どもがいる場合は、子どもの予定も含めた家族全員のスケジュールをカレンダーアプリなどで管理し、「この時間は集中したい」「この時間は声をかけても大丈夫」といったルールを明確にしましょう。

3. 家事・育児の分担を明確にする

在宅勤務であっても、仕事に割くべき時間はしっかり確保しなければなりません。夫婦間で家事・育児の分担を明確にし、「誰が」「いつ」「何を」担当するかを書き出しておくと、タスクを可視化でき、負担の偏りが少なくなります。子どもがある程度大きい場合は、子どもにも家事を手伝ってもらうようにすると、家族全員で協力する意識が育まれます。

4. 個人のリフレッシュタイムを確保する

常に家族と一緒にいると、心の距離が近すぎて息苦しさを感じることがあります。夫婦関係を円滑に保つためにも、お互いに一人の時間を持つことが大切です。趣味に没頭したり、散歩や運動をしたりと、ストレスを発散できる方法を見つけましょう。定期的に夫婦それぞれが自由に過ごせる時間を確保すると、気持ちに余裕が生まれます。


まとめ:新しい働き方と家族関係を両立させる

在宅勤務は、多くの可能性を秘めた新しい働き方です。しかし、「家族の居場所がなくなった」「夫婦関係が悪化した」という声が増えているのも事実。原因としては、プライベートと仕事の境界線の曖昧さ、コミュニケーション不足、家事・育児の負担偏りなどが挙げられます。

そのため、夫婦や家族全員で在宅勤務のルールを明確にし、家事や育児の分担、空間の使い方、スケジュール管理などを話し合うことが重要です。事例からもわかるように、お互いが「理解してくれているだろう」という思い込みで行動すると、相手をより強く傷つけてしまうことがあります。だからこそ、相手の気持ちや置かれた状況を想像しながら、遠慮せずに言葉で伝え合うことが大切です。

お互いを思いやり、協力して環境を整えれば、在宅勤務はワークライフバランスを充実させ、家族と過ごす時間を増やす大きなチャンスにもなります。家は本来、家族全員が心地よく過ごすための「居場所」であり、そこが「仕事場」にもなる時代だからこそ、工夫とコミュニケーションが欠かせません。新しい働き方と家族関係を両立させるために、一歩ずつ改善を図ってみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身、日本女子大学住居学科卒業。住宅の設計・審査・検査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の実務をこなす。 “住まいを診断”する検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整える家具配置の視点を持つプロ。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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