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いつまでも健康で暮らしたい!寝たきりを防ぐ住まいのポイントを一級建築士が解説

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高齢化が進む日本では、「いつまでも健康で自立した生活を送りたい」という願いを持つ人が増えています。そのためには、日々の健康管理だけでなく、自宅環境を整えることも非常に重要です。特に高齢になると転倒や事故がきっかけで寝たきりになるケースが多いため、「転ばない」「動きやすい」住まいづくりが必要不可欠です。この記事では、寝たきりを防ぎ、健康で快適な生活を送るための住まいのポイントを一級建築士が解説します。


1. バリアフリー設計を取り入れる

高齢者が暮らしやすい住まいを考える際、最初に注目すべきなのがバリアフリーです。以下のようなポイントに気を配りましょう:

  • 段差をなくす:廊下や部屋の間にある小さな段差でも、つまずきの原因になります。ラグやじゅうたんなど数センチのものも躓きの原因になります。転倒防止のためには、小さな段差を取り除き、フラットな床を目指しましょう。
  • 手すりの設置:玄関、トイレ、浴室、階段など、移動時に力を支える手すりを取り付けると、移動が安心です。
  • 滑りにくい床材:特に浴室やキッチンなどの水回りでは、滑りにくい素材の床を選ぶことが転倒防止に役立ちます。

2. 自然光を取り入れた明るい住環境

明るい部屋は心理的にも健康的にも良い影響を与えます。薄暗い部屋は足元が見えづらく、転倒のリスクを高めるため、できる限り自然光を取り入れる工夫をしましょう。

  • 自然光が入る窓を設ける:自然光が差し込むことで、昼でも部屋全体が明るくなります。
  • 間接照明の活用:夜間は視界を確保するために、足元にもフットライトを置くと良いでしょう。廊下や階段のコンセントにさすだけの簡単なものがあるので、取り入れてみてください。フットライトのほかにも、人が通ると自動で点灯・消灯する人感センサー付きの電球などもあります。消し忘れ防止にもなるので、廊下や洗面室・トイレなどの電球を交換してみましょう。

3. 使いやすいキッチン・浴室の工夫

キッチンや浴室は日常生活の中で頻繁に使用する場所であり、同時に事故が起こりやすい場所でもあります。ここでは安全性と使いやすさを両立した工夫が必要です。

  • キッチン:ぎっくり腰など腰痛防止のために高さに注意します。
    • シンクや調理台の高さを体格に合ったものに調整しましょう。
    • よく使う調理器具や食器は、手の届きやすい床から85~140㎝程度の位置に収納します。
  • 浴室:転倒防止のための手すりが必要です。
    • 浴槽への出入りをサポートする手すりを設置。
    • 入浴中の転倒を防ぐための浴室用マットや滑り止めタイルの導入もおすすめです。

4. 家具の見直しと動線の確保

狭い動線や、物があふれた空間は転倒や怪我の原因になります。以下の点に注意して整理整頓を心がけましょう。

  • 必要な物は手の届く範囲に:高い棚や低い引き出しに物を収納すると取り出しにくくなります。頻繁に使うものは目線の高さに配置するのが理想です。
  • 動線を確保する:家具や荷物で通路が狭くなっていると、歩行中のバランスを崩しやすくなります。できるだけ広い通路にしてスムーズな動線を確保するために、一回り小さい家具に買い替えるなどをして家具を見直しましょう。

5. 暖かさと涼しさの両立

高齢者は温度変化に敏感で、極端な暑さや寒さは体調を崩す原因になります。ヒートショックなどは死に直結しますので、家全体の温度管理が重要です。

  • 断熱性を高める:窓やドアの断熱性能を上げ、室内の温度変化を抑えることがポイントです。
  • 床暖房やエアコンの導入:足元が冷えると身体全体が冷えて活動時間が減り、足腰が弱る原因になります。床暖房など、足元を温める適切な空調設備を整えましょう。

6. 定期的な住まいの点検

長く住む家では、定期的な点検が欠かせません。例えば、次のような点に注意してください。

  • 老朽化した部分の修理:床材や壁紙、屋根など、劣化した部分は早めに修理しましょう。
  • 安全装置の確認:火災報知器やガス警報器、転倒を検知するセンサーなど、非常時に備えた設備が正常に機能しているか確認します。

7. コミュニケーションを重視した空間づくり

健康的な生活のためには、心のケアも大切です。家族や友人と交流しやすい空間を設けることは、孤独を防ぐだけでなく、心身の健康にもつながります。

  • リビングの家具配置を見直し:家族全員が集まりやすいリビングは、コミュニケーションの中心となります。家具や家具配置を見直して、家族が集まりやすい空間にしましょう。
  • 庭やベランダの活用:外の景色を楽しめるスペースは、リフレッシュの場として最適です。

まとめ

健康で長く自立した生活を送るためには、住まいを安全で快適な空間に整えることが重要です。今回ご紹介したポイントを取り入れて、自宅環境を見直してみてはいかがでしょうか?寝たきりにならず、心身ともに健康な暮らしを実現するためのヒントになれば幸いです。

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この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身。日本女子大学住居学科卒業後、ゼネコン建築設計部で一級建築士としてマンション・商業ビルの意匠設計・監理やマンションモデルルームの内装デザインを担当。確認検査機関では、確認検査員/住宅性能評価員として住宅性能評価/建築基準法の検査など担当、これまでに設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は機能的でおしゃれな部屋づくりを専門に行うCOLLINO一級建築士事務所を設立。部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点でつくる独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/子どもが伸びる住まいの仕組みづくりなどを提案。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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