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片づけても片づけても終わらない…その原因と解決法

#収納#家事ラク#家具選び#家具配置#片付け

片づけても片づけても、なんだか家がスッキリしない…。そんな経験、ありませんか?
家の中を見渡すと、リビングには物が散乱し、キッチンは片づけるそばから物で溢れ、子ども部屋にはおもちゃがあふれている…。がんばって片づけたつもりでも、いつの間にか元の状態に戻ってしまう。この無限ループから抜け出せないと感じている人は、きっと少なくないでしょう。

まず最初にお伝えしたいのは、「その悩みは決してあなただけのものではない」ということです。落ち込む必要はありません。実は、多くの家庭がこの「片づけてもスッキリしない問題」に悩んでいます。

なぜ片づけがうまくいかないのか?

独身時代は片づけに困ることがなかった人でも、結婚や子どもの誕生といったライフスタイルの変化により、一気に片づけが難しくなることがあります。その原因の多くは、「モノの量」がライフステージの変化に伴い増え続ける一方で、それを収納するスペースが足りないという点にあります。

つまり、片づけができないのは「本人の能力や努力不足」ではなく、「収納量不足」が大きな要因なのです。

日本の一般的な住宅では、収納スペースが十分に確保されていることは少なく、たとえばマンションの平均的な広さは70~80㎡、戸建住宅でもおおよそ130㎡(40坪)程度です。その中で収納スペースは8~12%程度ですので、生活用品や趣味の物、さらに子どものおもちゃや学用品を収納しようとすると、スペースが不足するのは当然のことなのです。

一方で、「豪邸」と呼ばれるような広い家を思い浮かべてみてください。収納スペースがたっぷりと確保されている場合、片づきやすいためモノが散らかっていないことが多いです。これが「収納量」の影響です。

収納量を増やすことが片づけのカギ

では、収納スペースが限られている日本の住宅で、どのように片づけをスムーズに進めることができるのでしょうか?ポイントは、「無駄のない収納」と「効率的な配置」です。

1. 収納家具の選び方を工夫する

まずは、限られたスペースの中でどれだけ収納量を確保できるかを考えましょう。たとえば、以下のような収納家具の工夫が効果的です。

  • 高さを活用する収納家具
    床面積だけでなく、天井までの空間を活用できる背の高い棚やキャビネットを選ぶことで、収納量を一気に増やすことができます。また取り出しやすい高さには日常使いのモノを、上のほうの収納スペースには季節商品など、頻度によって収納場所を変える工夫をしてみましょう。
  • デッドスペースを有効活用
    ソファやベッドの下など、普段は見過ごされがちなデッドスペースを活用できる家具を選ぶと、隠れた収納スペースが生まれます。
  • 多機能家具を導入する
    収納付きのベッドや折りたたみ可能なテーブルなど、一つの家具に複数の機能を持たせることでスペースを有効に使えます。

2. 収納家具の配置で片づけやすさを向上

家具の選択だけでなく、配置も重要です。収納家具を適切な場所に置くだけで、片づけが劇的にラクになることがあります。以下のポイントを押さえましょう。

  • 動線を考える
    収納家具を「使う場所の近く」に配置することで、片づけが格段にラクになります。たとえば、キッチンで使う物はキッチン周辺にまとめて収納する、リビングのおもちゃはリビングの隅に収納スペースを作るなどです。
  • 出し入れのしやすさを優先
    扉付きの家具の場合、頻繁に使う物を収納するには不便になることがあります。日常的に使うアイテムはオープンな棚や引き出し収納にしましょう。

3. 100均アイテムや整理術を活用する

収納家具でハード面を整えたら、次に取り組むべきはソフト面、つまり細かい物の整理術です。ここで役立つのが、最近話題の100均グッズや便利な収納ケースを使った整理収納法です。

たとえば、以下のようなアイテムが人気です。

  • 仕切りケース
    引き出しの中に仕切りを作ることで、小物が混ざらず取り出しやすくなります。
  • ラベルシール
    収納ケースにラベルを貼って中身を明確にするだけで、家族全員がどこに何があるか分かりやすくなります。
  • 吊り下げ収納
    玄関やクローゼットのドア裏に取り付けられる吊り下げポケットを使えば、省スペースで小物を収納できます。

これらのアイテムは安価で手軽に手に入るうえ、工夫次第で驚くほど使いやすくなります。雑誌やテレビなどで取り上げられている方法を参考にしつつ、自分の家に合ったアイデアを取り入れてみてください。


まとめ:片づけの本質は「森」を整えること

「木を見て森を見ず」ということわざがありますが、片づけも同じです。細かいテクニックや方法論に目を向ける前に、まずは収納量や家具配置といった「森」を整えることが重要です。

一度「森」をしっかりと整えたうえで、「木」、つまり小物の整理術に取り組むと、片づけのリバウンドが起こりにくくなり、快適な住まいを維持しやすくなります。

片づけに悩んでいる方も、まずは「収納量の見直し」から始めてみませんか?家の中がスッキリすると、気持ちまで軽くなるものです。ぜひ今日から一歩ずつ取り組んでみてください。

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この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身。日本女子大学住居学科卒業後、ゼネコン建築設計部で一級建築士としてマンション・商業ビルの意匠設計・監理やマンションモデルルームの内装デザインを担当。確認検査機関では、確認検査員/住宅性能評価員として住宅性能評価/建築基準法の検査など担当、これまでに設計・検査・審査した住戸数は延べ5,000件以上にのぼる。現在は機能的でおしゃれな部屋づくりを専門に行うCOLLINO一級建築士事務所を設立。部屋を「機能による空間分け」「動線」「収納」の観点でつくる独自のメソッドにより、機能的な部屋づくり/子どもが伸びる住まいの仕組みづくりなどを提案。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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