家を建てるなら、最適な時期はいつ?着工時期が家の寿命を左右する! | COLLINO(コリーノ)インテリア

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家を建てるなら、最適な時期はいつ?着工時期が家の寿命を左右する!

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多くの人が見落としがちな「家を建て始める時期」

新築を計画する際、多くの人は外観や内装、間取りにこだわります。しかし、意外にも 「家を建て始める時期」 にこだわる人は少ないのが現状です。

なぜなら、住宅メーカーや工務店がその情報を積極的に教えてくれないからです。

「この時期に建てるのがベストですよ!」

と伝えてしまうと、特定の時期にしか建築を依頼されなくなってしまうため、メーカー側にとっては都合が悪いのです。

しかし、実は 「家を建て始める時期」 は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で成長する時期と同じくらい大切なもの。どの時期に着工するかによって、その家の寿命や住み心地が大きく左右されるのです。


多くの人が家を購入する流れ

多くの人は、ゴールデンウィークの住宅展示場でモデルルームを見学し、営業担当者の「年内に入居できます」「来年4月までには!」といった言葉に後押しされ、家の購入を決断します。

しかし、ここで注目すべきなのは、「家の完成時期」ではなく「家を建て始める時期」 です。


建築着工が多いのは雨の多い6月~10月

国土交通省が発表した住宅着工件数を月別にグラフ化
国土交通省「住宅着工件数」を月別にグラフ化-collino-interior

上の図は住宅着工件数を月別にあらわしたものです。図からわかるように、住宅の着工件数が最も多いのは 6月~10月 です。

梅雨や台風、ゲリラ豪雨が発生しやすい時期にもかかわらず、多くの家がこの期間に建設を開始しています。

一方で、雨の少ない 1月~3月 は、住宅着工件数が比較的少なくなっています。

これは「新年度までに新居に引っ越したい」「年内に完成させたい」と考える人が多いため、完成時期から逆算して着工する結果、梅雨や台風のシーズンに工事が始まる という流れになってしまうのです。


建設初期は「家の基礎」をつくる大切な時期

ゴールデンウィークにハウスメーカーを訪れ、契約を進めると、早い人では 6月の梅雨時期に基礎工事 を迎えます。

さらに、梅雨明けと同時に 躯体工事(柱や梁、構造用合板の取り付け) が始まります。

つまり、骨組みの工事がちょうど雨の多い時期にあたってしまう のです。


梅雨や台風シーズンの工事が引き起こすリスク

梅雨や台風の時期に建設を始めると、以下のような問題が発生する可能性があります。

  1. 基礎のコンクリートが弱くなる
    • 雨が多いとコンクリートの養生(固まる過程)に影響を及ぼし、強度が十分に出ないことがある。
  2. 建材が湿気を吸ってしまう
    • 雨に濡れた木材や構造用合板が十分に乾燥しないまま施工されると、カビや腐食の原因となる。
  3. 断熱材や内壁の施工に影響が出る
    • 湿った建材の上から断熱材を入れ、さらに内壁を貼ることで、壁の内部に湿気がこもり、内部結露やカビの発生リスクが高まる。

もちろん、多くのハウスメーカーや工務店では 雨天時には工事を中断するなどの管理を行っています。しかし、スケジュールの都合上、すべての現場で完璧に対応できているとは限りません。

実際に、「雨に濡れた建材を乾かさずに施工した結果、新築の家の内壁がカビだらけになった」 というケースも報告されています。


「赤ちゃんの成長」と「家の成長」は同じ

家の建設初期は、赤ちゃんが母体の中で成長する時期と似ています。

母体が無理をすると赤ちゃんの健康に影響を与えるように、建築の初期段階で構造材が雨に濡れると、その家の一生に影響を与えてしまう のです。

そのため、日本で家を建てるなら 雨が少ない時期に着工する ことが重要です。


最適な家の着工時期は「1月~2月」!

家の構造を健全に保つためには、 雨の少ない1月~2月に着工するのが理想的 です。

この時期に工事を始めることで、以下のようなメリットがあります。

  • 梅雨や台風の影響を受けにくく、構造材や基礎がしっかり乾燥した状態で施工できる
  • カビや腐食のリスクが減り、家の寿命が延びる
  • 天候による工事の遅延が少なく、スムーズに完成できる

住宅購入は時間と時期に余裕を持って計画しよう

家を建てるタイミングは、完成時期だけでなく 着工時期にもこだわることが重要 です。

「新年度に間に合わせたいから」「年内に引っ越したいから」と急いで契約してしまうと、結果的に 家の寿命を縮めるリスク につながる可能性があります。

だからこそ、住宅購入は焦らず、計画的に

家づくりを成功させるためには、 「いつから建てるか」も慎重に考えること をおすすめします!

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この記事の著者

しかま のりこ

一級建築士/模様替えアドバイザー/確認検査員
東京都出身、日本女子大学住居学科卒業。住宅の設計・審査・インテリアコーディネートまで、 5,000件以上 の住まいを見てきたプロ。 “住まいの健康診断” をする検査員としての厳しい目と、 暮らしを心地よく整えるアドバイザーの柔らかい視点 をあわせ持つ、住まいの「ドクター&スタイリスト」。デザインした家具はキッズデザイン賞を受賞。著書に「狭い部屋でも快適に暮らすための家具配置のルール」「狭い家でも子どもと快適に暮らすための部屋づくりのルール」(彩図社)がある。

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