「片づいているのに、なぜか野暮ったい」家の正体―“おしゃれ”はセンスではなく量で決まる
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都内のマンションに暮らすBさん(30代)は、夫婦と小学生の子ども1人の3人家族です。数年前に家具配置を見直し、部屋は以前よりすっきり整うようになりました。それでも、こんな悩みを抱えています。
「以前より片づいてはいるのですが、どうも“おしゃれに見えない”んです。SNSで見るような洗練された空間にならなくて……何が違うのでしょうか」
この悩みは非常に多く、「片づけ」と「おしゃれ」は別のものだと考えられがちです。しかし実際には、この2つはまったく同じ原理で成り立っています。
結論から言えば、おしゃれはセンスではなく「量のコントロール」で決まります。
❒ “おしゃれにならない家”に共通する3つの特徴
まず、Bさんのように「片づいているのにおしゃれに見えない家」には、いくつかの共通点があります。
ひとつ目は、色が多すぎること。
家具やカーテン、小物にそれぞれ違う色が使われていると、視界の中の情報量が増え、まとまりがなく見えてしまいます。
ふたつ目は、モノが多すぎること。
収納に収まっていたとしても、家具や雑貨が多ければ、それだけで空間は重たくなります。
そして三つ目が、余白がないこと。
床や壁、テーブルの上に“何もない部分”が少ないと、視線が休まらず、常に雑然とした印象になります。
これらに共通しているのは、「入れすぎている」という点です。
❒ CAPA収納は“見た目”も整える
ここで重要になるのが、「CAPA収納」の考え方です。
CAPAとは、住まいに収まるモノの容量のこと。収納に限らず、家具やインテリアすべてを含めた“家の許容量”と考えてください。
この容量を超えると、物理的に散らかるだけでなく、見た目も整わなくなります。
例えば、家具と収納の総量は、床面積の40%程度に抑えると、動きやすく、視覚的にもすっきりとした空間になります。また、床が見える面積が7割程度あると、ホテルのような整った印象に近づきます。
つまり、「片づいている状態」と「おしゃれに見える状態」は、どちらも“余白があること”によって成立しているのです。
❒ おしゃれをつくる最も簡単なルール
では、具体的にどうすればよいのでしょうか。
方法はとてもシンプルです。
まず、空間の「メインカラー」を決めます。
白やベージュ、グレーなど、部屋の大部分を占める色です。床や壁、ソファなどを含めて、できるだけこの色に寄せていきます。
次に、「アクセントカラー」をひとつだけ入れます。
例えば、ソファの上に置くクッションをひとつ。
あるいは、小さなラグや椅子の張地でも構いません。
ここで大切なのは、アクセントは1か所だけにすることです。
多くの方は「もう少し色を入れた方がおしゃれになるのでは」と考え、2つ、3つと増やしてしまいます。しかし、それが逆に空間を雑然と見せる原因になります。
例えば、ベージュを基調とした空間に、くすみブルーのクッションをひとつだけ置く。これだけで、空間に“意図”が生まれ、一気に洗練された印象になります。
❒ 色もモノも「入れすぎる」と崩れる
ここで改めてお伝えしたいのは、モノと色は同じだということです。
収納が家の容量を超えると片づかなくなるように、色もまた、一定量を超えると整って見えなくなります。
つまり、おしゃれに見えない原因は「センスがないから」ではなく、「入れすぎているから」なのです。
Bさんの家でも、小物や雑貨を少し減らし、色を絞るだけで、空間の印象は大きく変わるはずです。
❒ おしゃれは“足す”のではなく“減らす”
インテリアを整えようとすると、多くの人は新しいものを買い足そうとします。しかし、本当に必要なのはその逆です。
モノは、量を減らすと片づきます。
色は、数を減らすとおしゃれになります。
このシンプルな原則を知るだけで、空間づくりは驚くほどラクになります。
片づけとおしゃれは、別々の問題ではありません。どちらも「家のキャパシティの中で整える」という、同じ考え方で解決できます。
「どうしてもおしゃれにならない」と感じたときは、何かを足す前に、一度立ち止まってみてください。
その空間に、入れすぎているものはないでしょうか。
整った空間は、センスではなく、仕組みから生まれるのです。
